『ドラゴンボール超 ブロリー』あらすじ
悟空は「力の大会」が終わった平和な地球で鍛錬を続けていた。そんなある日、彼とベジータの前に、謎のサイヤ人ブロリーが現れる。ほぼ全滅したはずのサイヤ人が新たに出現したことに悟空たちが疑問を抱く中、フリーザが復活を遂げる。
監督 | 長峯達也 |
脚本 | 鳥山明 |
原作 | 鳥山明 |
公開日 | 2018年12月14日 |
上映時間 | 100分 |
『ドラゴンボール超 ブロリー』感想
『ドラゴンボール』シリーズの劇場版が『ドラゴンボールZ 神と神』で復活し、『ドラゴンボールZ 復活の「F」』と2作続けてきたが完成度は正直低く不満が残る作品たちだった。
そんな中、本作は人気キャラクター「ブロリー」が登場するということで、公開前からファンの注目が集まった作品でもありました。
ドラゴンボールの中でも屈指の人気キャラクターよ!
強いというのももちろんですけど、台詞が印象的ですもんね。
前作、前々作はストーリーも戦闘シーンも芳しくなく、繰り返し観たいと思わせてくれるような作品ではなかった。
ですが、本作は100分の中できちんとブロリーのエピソードを描きつつ、迫力の戦闘シーンがモリモリに盛られているのが嬉しい。
「ブロリー」というキャラクターの魅力を補完
本作の『ブロリー』は旧作とは別の存在ということもあり、いくつか設定が変更されている。
個人的に変更されて良かったと思うが、悟空・ベジータとの関係性だ。
旧作では悟空(カカロット)に因縁を持っており、戦いが繰り広げられるのだが、その因縁が幼少期に悟空の夜泣きがうるさかったからという残念な設定だった。
しかし変更された本作では、まず対象はベジータになっている。ベジータ王(ベジータの父親)がブロリーの潜在能力を恐れて、追放したことへの復讐と納得できる設定になっている。
ブロリー自身の潜在能力が丁寧かつパワー溢れる作画で演出されるんですよ。
旧作では元々「伝説の超サイヤ人」という変身形態を会得している状態(暴走状態)で、最初からフルスロットル。
本作では、最初はまず「超サイヤ人」にすらなれない状態。しかし素の状態でもベジーター(超サイヤ人)にどんどん対応していくという潜在能力と学習スピードを披露。
そんなブロリーの変貌ぶりを楽しむベジータも超サイヤ人ゴッドに変身と追随していたブロリーを再度突き放すという経験値の高さを窺わせるシーンなんてものも。
ブロリーとベジータのぶっ飛びバトルが最高なの!
ベジータは強いサイヤ人には優しいというか積極的なんだよね。
“超”戦闘シーンが怒涛の如くお披露目
本作の見どころとしては、やはり戦闘シーンは欠かせないでしょう。
ベジータVSブロリー、悟空VSブロリー、悟空&ベジータVSブロリーetc…と100分の中に詰め込まれています。
個人的なベストバウトは「ベジータVSブロリー」を推します。
ブロリーの潜在能力の凄さを演出しながら、戦闘の天才ベジータとしての格を見せていく様がカッコイイ。「超サイヤ人→超サイヤ人ゴッド」の変身をブロリーに見せつけるような雰囲気は、まるで稽古をしているような感じでもある。
ベジータは面倒見がいいのよね。
そして戦闘シーンにバリエーションのある「悟空VSブロリー」も素晴らしい。
ドラゴンボールの戦闘といえば、殴る蹴る・気功波が一般的。しかし「悟空VSブロリー」では悟空の一本背負いやブロリーが悟空をぐるぐる回して叩きつけなど映画クオリティの魅せ方が新鮮さと飽きさせない。
『ドラゴンボール超 ブロリー』評価は?
評価:
不作続きだったドラゴンボール映画で興行収入40億と大ヒットとなった『ドラゴンボール超 ブロリー』。ブロリーの設定やTVシリーズ『ドラゴンボール超』の続編の流れを汲んだストーリは違和感もなく楽しめた。
TVシリーズでは難しい高品質かつ迫力のある作画による戦闘シーンは圧巻の一言。キリッとした悟空、ベジータは90年代の『ドラゴンボールZ』を彷彿させてくれた。
ブロリー自体も今後は登場する見込みもあり、今まで敵でしかなかったブロリーが悟空やベジータと共闘するなんてのも未来にも期待したいところだが、ドランゴボールの生みの親である鳥山明氏が2024年3月1日に死去となってしまった。
偉大な漫画家の損失は残念だが、素晴らしい作品は後世にこれまでと変わらずに手に取られることだろう。
素晴らしい作品『ドラゴンボール』をありがとう。