『葬送のフリーレン』のあらすじ
勇者・ヒンメルは千年以上生きるエルフのフリーレンを含む4人のパーティーで、10年におよぶ冒険の末に見事魔王を打ち倒すことに成功、冒険は終わりを迎える。勇者パーティーの一行と再会の約束をして、ひとり旅に出たフリーレンは、50年後にヒンメルと再会。そのことをきっかけに、寿命が自分よりも短い人間たちのことを知ろうとしてこなかったことを悔やんだフリーレンは、人を知るための旅に再び出る。
『葬送のフリーレン』の感想
『葬送のフリーレン』はファンタジー作品の黒幕になる魔王を打ち倒した後の世界を描くという、一風変わった漫画。
これが私にはビビッと刺さりました。
一般的な続編では、魔王の後釜が台頭してくるなどがありますが、あくまで魔王討伐から50年後の世界をフリーレンが世界を旅するというもの。そこに作者がそれだけ「世界」「キャラクター」を描きたいというのが強い気持ちが伝わってくる。
純ファンタジーに似た設定から得られる楽しさがあるのよ。
50年を経て、新たな常識となった魔術体系や勇者の伝記などは他の作品では描かれない「世界」の様相。この独特な時代背景の中で広がるファンタジー世界というのが面白い。
“看送る”を経験したフリーレンを通して見る物語
本作は前述した通り魔王を倒して平和を取り戻したところから描かれています。しかし、ここで本作独自の要素としてフリーレンだけ寿命が長い種族という点があります。魔王討伐の仲間たちは、長寿の種族ではなく、主人公フリーレンよりも早く旅立ってしまうのが決まっています。
魔王討伐後から50年。その間、勇者一行はそれぞれが各々の生活を過ごしていたのですが、1000年以上生きてきたフリーレンにとっては、“たった”50年であっても、人間にとっての50年は大きいものです。50年ぶりに再会した仲間は年老いており、生涯を閉じようとしていました。この時、フリーレンは自身の行動に後悔を覚えるようになります。
この経験からフリーレンは魔王討伐の旅（10年）を振り返りような旅を開始します。
少年誌らしからぬ序盤からの予想外の展開は衝撃でした。
世界の変化を仲間を通じて
振り返る旅に身を置くフリーレンですが、新たな仲間が加わります。
フリーレン（左）の弟子フェルン（中央）。魔王討伐の仲間の弟子でもあるシュタルク（右）。
当然人間である二人とフリーレンでは、世代的な違いや年齢からの違いも作中では多く描かれています。
この“違い”も悲しいものばかりではなく、過去の旅では理解できなかった行為や経験をフリーレンが理解していく様子は、フリーレンが世界を色あるものとして再認識するためにに必要な旅だと伝わってきます。
アニメ1期の続きは原作漫画の何巻から？
『葬送のフリーレン』1期は全28話構成で放送され、原作コミックス7巻の61話から読むことでアニメ1期の続きを楽しむことができます！
2024年4月時点では、『葬送のフリーレン』2期の制作は発表されていません。
主人公フリーレンを演じた声優の種崎敦美（たねざき あつみ）さんは近年人気声優として引っ張りだこですので、2期はスケジュール的にも先になりそうですね。
待ちきれない方は原作漫画を読んでみるのをおすすめします！
『葬送のフリーレン』の評価
評価：
漫画原作のアニメを久々に鑑賞した『葬送のフリーレン』でしたが、全編を通して丁寧な作りのファンタジー作品は観て良かったと思わせてくれた。
アニメ自体に派手なシーンは少なめだが、魔法技術が発展したからこその戦闘シーン。魔王討伐後に描かれる世界の表情というように、今まで他の作品で見たかった物語の後日談を見ている感覚は、多くの作品に触れてきた人こそ感じるものがあるのではないだろうか。
漫画原作がまだ完結しておらず、これからの展開がまだまだ気になる作品です。物語の先を知りたい方は、ぜひ原作漫画を手に取ることをおすすめします。
