2024年1月26日に公開『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の感想・レビューです。
内容的にネタバレも含みますので注意してください。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』あらすじ
C.E.(コズミック・イラ)。遺伝子を調整し、生まれながらにして優れた身体能力や頭脳を持つ人類(コーディネイター)と 自然のままに生まれた人類(ナチュラル)が存在する時代。
「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」は、 このC.E.を舞台にコーディネイターとナチュラルの間の戦いを描いた作品である。
監督 | 福田己津央 |
脚本 | 両澤千晶/後藤リウ/福田己津央 |
原作 | 矢立肇/富野由悠季 |
上映日 | 2024年1月26日 |
上映時間 | 124分 |
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想
2004年に放送された『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』放送終了後に何度も耳にした続編の噂。さまざまな憶測があったが、今回無事に続編が公開されたことは素直に嬉しい。
SEEDでガンダムの魅力を知ったので嬉しい〜!
土曜夕方6時放送でしたから、子供時代に見てた人も多そうですよね。
本作ではファウンデーション王国という独立国家が立ちはだかるのだが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の終盤で提唱された※デスティニープラン。このデスティニープランを引き継ぐ国、人としてキラ達との戦いが繰り広げられていきます。
※デスティニープラン:各々の遺伝子を解析し、適した職業が選択される。自由意志のない世界を作る計画
ラクスという象徴の深掘り
本作において力を入れて描かれていたのは、キラとラクスの関係。そして二人の関係を通じて、ラクスの深掘りがされています。
TV放送の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』まででは、キラとラクスの描写はそこまで多くはなく、歌姫でありカリスマ性のあるラクス。戦争を英雄としてフリーダム(キラの搭乗機)が有名と、両者共に戦争の時代で一目置かれる存在として評されるという具合。
しかし本作では、ラクスは人々を導くように遺伝子を組み替えた特殊なコーディネートとして作られたことが明らかになりました。
この特殊な背景がきっかけで、キラとラクスの関係には亀裂が入ってしまいます。
しかし、本作のキーパーソンでもあるアスラン(キラの親友)との殴り合い(一方的な)を経て、彼女に会いたいという本音を皆に打ち明ける。
アスラン強すぎ…
これでラクスが戦争時代の象徴から、キラの恋人(助けを待つヒロイン)としてポジションが変わった気がします。
そしてラクスを救出し、互いに相手を愛しているということを伝え合うことで、遺伝子が作品のテーマであったSEEDシリーズに対して、「愛が勝つ」という一つの答えを出した瞬間でした。
シン・アスカの活躍
本作で一番話題になったのは、「シン・アスカ」で間違いないでしょう。
前作『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、主人公だったはずなのに中盤以降は主人公の座を下ろされたり、敵側に身を置く(元)主人公として最終決戦で敗北するなどの扱いは有名です。
そんなシンも本作ではバッチリ活躍の場があります!
キラに認められたくて戦い方を真似たり、彼女よりも食い意地を優先したり、ラッキースケベをかましていたりと、今までにはない愛くるしいシンが完全に癒しキャラになっています。
「ジャスティスだから負けたんだ!」には笑っちゃいますよね。
清々しいほどのシンのキラとアスランへの対応の違いっぷりも見どころだわ!
そんなシンも最終決戦では、目まぐるしい活躍を見せてくれます。
愛機であるデスティニーガンダムに乗り込み、精鋭部隊を1機で無双する様は、シンの実力の高さが伺えるシーンですね。
個人的に本作で一番カッコ良かったのは、シンの愛機である「デスティニーガンダムSpecⅡ」です!
C.E.世界はこれからも戦争の時代へ
ファウンデーション王国の件は本作できちんと終止符を打たれるのですが、C.E.の世界ではまだまだ問題が山積み状態。作中でチラ見せのあった「フリーダム強奪事件」や「ミーケル大佐」などクーデター勢力。
わずか2年で前作でのエース機が型落ちになるぐらいの技術革新と、C.E.はまだまだ作品として可能性を秘めています。
宇宙クジラは本作でもほぼノータッチ…
福田監督も続編に対して意欲的なコメントを出しているので期待しておきましょう。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』評価は?
評価:
SEED時代から能力の高さ故に、自分の力で解決・背負い込んでしまうキラという存在が愛を追い求める姿。遺伝子によって引き裂かれた世界で愛する人への純な気持ちをさらけ出すなど作品を積み重ねてきたからこその感慨深いシーンが多かったです。
シンやアスランなどDESTINYでは精神的に追いやられてしまい、活躍が少なかったのも、本作では絶好調ぶりを遺憾なく発揮してくれています。もちろんメインキャラだけでなく、ムウやイザーク、カガリと人気キャラ達にも見せ場があるのはファンにとって嬉しい限り。
まさにファンが長年待っていたものを映像化してくれたという映画になっており、満足度の高い作品でした。